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2026.11.01 台湾慰霊 閲覧数 0
日本の歴史が台湾にのこっている!
ここ数年、台湾に行くたびに新たな発見があります。そもそも台湾で日本のお寺へ行くというのは一般の観光からは程遠いマニアックなカテゴリに入りますが、最近はほぼ、台湾に行く=お寺参りや慰霊供養となってしまっています。特に歴史を調べているうちに「あれ、こんなところにも日蓮宗の寺院があったのか」という場所が1つ、また1つと増えてきまして、歴史をたどって行けばいくほど増えるといった具合です。
台湾にはいわゆる「日據」と言われる日本統治の時代がありました。日本語で教育がなされ、道路や水道、インフラ整備も行われ、その当時は日本の「台湾州」でした。日蓮宗でも明治28年から昭和20年までの50年間、台湾に布教師さんを送りお寺を建てて、お葬式をしてご祈祷をしていました。その足跡でいま実際に訪ねて行ける場所が4つあります。台北法華寺、台中法華寺、高雄の妙法寺跡、それから戦後に建った潮音寺です。
この記事はその入口のようなもので、1ヶ所ずつの詳しい話は別に4本の記事に分けて書きました。長いので、気になるところから読んでいただければと思います。
この記事の内容
すごく簡単ですが、貴重な資料がありましたので年表にしてみました。だいたいの流れはつかめると思います。
ことば
開教(かいきょう) 海外や、まだ寺のない土地に寺や布教所を開いて教えを広めること。台湾布教の昔は「開教監督」とも言われていました。
戦後の分も続けておきます。こちらは慰霊供養の話が中心になります。
参考
年表の出典は、1895・1896年=闞正宗〈台灣佛教新史〉之十「殖民初期日本佛教各宗從軍僧來台」『人間佛教學報・藝文』28期(2020年7月)/1897・1901・1910・1917年=同〈台灣佛教新史〉之十二「日本佛教各宗派在台布教發展(二)」同誌30期(2020年11月)、台北市文化局の文化資産登録資料(2011年)/1917・1930年の寺院数=『台湾総督府統計書』各年(松金公正1999の集計による)/1904年頃・1923年=台中法華寺に伝わる寺史、臺中市西區區公所「法華寺」/1926・1934・1943年=岡田真美子「臺北法華寺と岡田日惺(榮源)」(2013年)、妙興寺所蔵の辞令、『台湾日日新報』昭和18年4月21日/1930年の碑=台北法華寺門前の題目碑台座の刻字/1981年=潮音寺堂内の奉納板(中華民国70年11月)、鍾佐榮「ご挨拶」(2016年)/永村伝師=『水の行者』「九、沖縄・台湾修法布教」(1995年)、日蓮宗新聞2013年5月26日/1997年=『生死の海』復刻版奥付/2015年=バシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会サイト
台北法華寺
今は台湾の寺院になってしまっていますが、当時台湾の日蓮宗の本部が置かれていたお寺です。西門町のすぐ南にあって、百度石と「南無妙法蓮華経」の石碑が台北市の文化資産になっています。ここの2代目住職だった岡田日惺上人という方のお名前を、境内のあちこちで目にします。台北から1番近い寺院です。
くわしい記事
台中法華寺
佐賀出身の尼僧・妙亨院日持法尼(みょうきょういん・にちじ)が開いたお寺です。妙亨尼のお像や日本式御宝前の装飾が今でもきれいに残っており、台湾の尼僧の方たちが守ってくださっています。建物は6階建てのビルになっていますが、3階のお堂は日蓮宗のご本尊の形、曼荼羅がかかげてあり、信受院の名前が残っています。
高雄の妙法寺跡
こちらは建物が残っていません。跡地には高雄佛教蓮社という台湾のお寺が建っていて、その前に「南無妙法蓮華經」の碑が1本だけ残っているようです。創建も住職もまだわかっておらず、調べながら書き足していくつもりです。
バシー海峡の潮音寺
バシー海峡で亡くなった方々を弔うために戦後に建てられたお寺で、日本統治時代のお寺ではありません。ただ、建立の年には日蓮宗管長の金子日威猊下の額が納められ、佐世保の永村日鵬正伝師も毎年慰霊に通っておられました。いまは私たち日蓮宗の僧侶が慰霊祭に出仕しています。
九州福岡から台北までは、飛行機で2時間半です。東京へ行くのとそう変わりません。
100年前に海を渡った先師たちのお寺が、台湾の人たちの手で守られ、いまも残っています。当時の姿のまま残してくださっているところもあり、なんと有難いことでしょうか。海外でこれだけ日蓮宗の拠点が残っているところは、台湾のほかにないと思います。今日まで守ってきていただいた現地の方々には、本当に頭が下がる思いです。
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松金公正「日據時期日本佛教之台灣佈教――以寺院數及信徒人數的演變為考察中心」『圓光佛學學報』第3期(1999年)/同「植民地時期台湾における日本仏教寺院及び説教所の設立と展開」『台湾史研究』16号(1998年)/闞正宗〈台灣佛教新史〉之十「殖民初期日本佛教各宗從軍僧來台(1895-1896)」『人間佛教學報・藝文』28期(2020年)/同〈台灣佛教新史〉之十二「日本佛教各宗派在台布教發展(二)」同誌30期(2020年)/『日蓮宗事典』「海外布教」(日蓮宗宗務院、1981年)/西川滿『生死の海』/各記事末尾の参考文献
2026.11.01 台湾慰霊
台中法華寺 佐賀の尼僧・妙亨法尼
台北・西門町の裏に、日蓮宗のお寺が残っていた。今も生きている台北法華寺
高雄にも日蓮宗のお寺があった?妙法寺跡。
台湾最南端の日本寺院『潮音寺』バシー海峡慰霊祭と日蓮宗のつながり