SAGA ANSHOZAN KOKUSO-JI

2021.12.01 アフターライフ

死後の準備は生きてるうちに。死を見つめるから生きている今が”ありがたい”

みなさんこんにちは。突然ですが、

「2020年の出生数は約84万人と過去最少で、2021年はそれをさらに下回り70万人台に突入しそう」

というデータがあり少し危機感を覚えてる今日このごろです。


コロナ禍の中でじわりと進行中の少子化。
実は2008年から日本の人口は減り続けているとご存知でしたでしょうか?


昔は兄弟が7~8人いるようなケースも普通に見られましたが、今は大半の家庭が子どもは1人か2人、3人なら多いほうじゃないでしょうか。


家系を継いでいくというのはすでに難しい時代に入っていると思います。


保守的な分野に当てはまるはずの葬儀や死後の準備についても「これまで通りの段取りで」というのが困難になってきているのは同様で、

「まだ生きているうちから葬儀の話だなんて縁起でもない!」

という考え方は今や昔のものに。


生前に葬儀や墓地・永代供養の相談をするというのがごく一般的になってきました。

生前相談の増加は単に時代の流れなのか?

個人の価値観がこれほどまでに尊重された時代はかつてなかったのではないでしょうか?


ファッションやライフスタイルだけでなく、葬儀においても当人の個性や好みが重視されるのが今の時代です。

生前相談は「その人らしい葬儀」を実現する方法ということになるでしょう。


あるいは、残される家族、とりわけ子どもに精神的・経済的負担をかけたくないという理由から生前相談される方も少なくないようです。


少子化が進み「親の面倒は子どもが見る」という過去の常識が現実的ではなくなってきている現代。

できる限り子どもに迷惑をかけないようにと心を砕く方はとても多いですよね。


そのような時代の流れが生前相談の増加につながっているといえますが、

実はもっと切迫した事情から生まれる「ある必要性」から増えているという側面もあります

「出せるのは2週間後」も珍しくない首都圏の葬儀事情

首都圏を中心に、葬儀をすぐに出せないという状況になっています


1週間待ち程度は当たり前で、お亡くなりになってから10日後、2週間後にようやく荼毘に付すことができるといった事態も珍しくないようです。


少なくとも首都圏の場合、特に大きな原因となっているのが人口当たりの火葬場(特に公営火葬場)の数不足だといわれています。要するに火葬場の順番待ちですね。


火葬場建設は地域住民からの反対が多いという現実もあり、なかなか新設できないといった難しい事情も……。


一般に火葬場が休場となることの多い友引の日にも営業するなどの対策も取られているようですが、根本的な解決には至っていません。


超高齢化社会が進展した先に必然的に待ち受ける「多死社会」を考えれば、事態はかなり深刻といえるでしょう。


また、首都圏ほどではないにしても火葬場の混雑は地方でも見られるようになってきていますので、地方在住だからといって「うちは関係ないわ~」とは言っていられない状況になりつつあります。


生前相談の増加、特に首都圏を中心とした都市部における急増加の背景にはそんな葬儀事情があります。

生前に死後について考えることは実は大切

人が亡くなると、しないといけない手続きも多く、葬儀の手配や連絡で手いっぱいで、悲しみに触れる間もないうちに葬儀が始まり、気がつけば葬儀が終わってしまっているといったこともよくあります。


そうしたやり切れない状況を回避するための対策の一つが、死後に関する事柄をある程度まで事前に確定しておくことです。

それで生前相談が増えているんですね!

亡くなった後のことも考えておくのが、これからは大事になりそうです。
むしろ人生の終わりから考えるからこそ、生きている今がありがたく、今すべきことが見えてくるはずです。


前述のように、生前相談にはご本人の希望に沿った葬儀スタイルの実現という意味合いもありますが、残される家族のためを思ってという観点からは、

自分の死後どのような形で葬儀をするのか、どこに連絡するべきなのか、

どんなお墓に入るのか、はたまた永代供養にしておくのか、

家族と一緒に相談して事前に決めておくこと

が生前相談のもっとも大きな意義ではないでしょうか。

おすすめしたい寺院での生前相談

葬儀についての相談なのだから葬儀会社で……と考える人は多いでしょう。実際に多くの葬儀会社で生前相談・予約を受け付けています。


ですが、私が僧侶だからというのはもちろんありますが、ぜひ寺院でもご相談いただきたいと思います。


ごく限られた時間の中でたくさんのことを決めなくてはならない葬儀はとにかく慌ただしく、

故人や遺族の想いが置き去りとなってしまうことが多々あります


生前相談であれば時間は十分にありますので、表面的なことだけではない、真にご本人の気持ちを汲んだ葬儀・お墓・供養の形を決めるためのお話をじっくりとすることができるでしょう。


また、ご家族の方と話し合う場合、身内ということでかえって踏み込んだ話がしづらかったり、つい感情的になってしまったりといったこともありますよね。

そんなときにも第三者である寺院の人間が同席することにより、スムーズにお話が進みやすいのではないでしょうか。


生きているうちから死後について考えるのが不謹慎だったのは過去のこと。


この世を辞すときのことについて生前から考えておくのは、今ではむしろ大切といえるでしょう


続が争族になってしまった、なんていうケースを避けるためにも、

何事も話し合っておくこと、何でも話し合える関係でいることが本当に大事です。

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