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2021.03.25 供養

なぜお墓を建てるのか?意味や必要性を寺院が語る

少子高齢化や核家族化が進む日本ですが、「お墓を建てる意味を見いだせない」「お墓を建てたら管理する自信がない」とお悩み方もいるのではないでしょうか。

お墓は「日本の文化から何となく必要」だと思っている方も多いかもしれません。

しかし、最近ではお墓の維持の問題からお墓を建てる以外の埋葬方法も浸透しつつあるため、

お墓を建てる意味や必要性を改めて考えてみる機会ができたと考えても良いでしょう。

そこで今回は「なぜお墓を建てるのか」という素朴な疑問に対して、意味や必要性などを寺院がお話ししていきます。

お墓を建てる意味は2つ

日本の文化・風習として、お墓を建てるという行為は縄文時代から既に存在していたと言われていることから、お墓と私たち日本人は切っても切り離せない関係だと言えるでしょう。

お墓を建てる意味は個人の考え方にもよりますが、物理的な意味精神的な意味の2つあります。

1)ご遺骨を埋葬して後世に残すという物理的な意味

お墓は、故人をの冥福を祈るための記念碑という物理的な意味を持つと考えて良いかもしれません。

お墓があることにより、この世にまだ生きている家族や親族・子孫などが「自分のことを思い出してくれる」生きた証となるのが、お墓だと言えるのではないでしょうか。

2)故人や先祖と家族を繋ぐ精神的な意味

お墓には、埋葬されている故人や先祖と親族・家族の絆を保つという精神的な役割を果たしています。

日本の風習として残る先祖供養の精神から、お彼岸やお盆などの際、お墓参りを通して故人の冥福をるだけではありません。

お墓参りにより、家族や親族の絆を再確認したり、故人と近しい遺族が自分の気持ちを整理したりすることもあるでしょう。

まさに、亡くなられた方との精神的な繋がりを持つきっかけとして、お墓があると考えられますよね。

なぜお墓は必要なのか?理由

最近ではお墓を建てない埋葬の方法も普及しつつあるものの、私たちの生活の中で、人が亡くなったらお墓に埋葬するという考えは当たり前の習慣として根付いています。

では、なぜお墓が必要なのでしょうか。

1)お経の中に「お墓を立てて供養しなさい」と出てくるから

ご先祖様(仏様)の供養のためのお墓ですが、「妙法蓮華経如来神力品第21」というお経の中で

の中で、「皆応(まさ)に塔を起(た)てて供養すべし」と書かれています。塔を立て供養をすれば、

そこにはご先祖様(仏様)が現れますよ、と説かれています。

もちろん塔というのは、お墓や、卒塔婆、小さなものえ言えば御位牌、大きなものは五重塔など、多様な形があります。

いずれにしても、塔を立てることがご先祖様の供養になるということです。

2)大切な方に語り掛ける場所になるから

お墓に行くことにより故人や先祖に感謝の気持ちなど言葉を伝えることから、あの世とこの世を繋ぐ役割果たすからです。

お墓に埋葬されているのは、先祖だけでなく、あなたの大切な方も含まれていませんか?

お墓は、「終の棲家」とも呼ばれ、亡くなった方のより所です。

前述のお墓を建てる精神的な意味に該当しますが、亡くなった大切な方に対して愚痴や救い・悩みや報告などのように、語り掛ける場としてお墓が重要な役割を果たしていると言っても良いでしょう。

3)故人の魂がこの世に帰ってくるための目印という役割があるから

仏教においては、魂がこの世に戻ってくるための目印として、お墓が建てられています。

お盆の時期には、亡くなられた方や先祖の魂がこの世に帰ってくるという考えがあり、お墓がこの世の目印とされているのです。

お墓は現代人にとって必要か

個人の考え方にもよりますが、お墓を建てることにより

後世に自分の存在や生きた証を遺せることから、残された家族や子孫の繋がりを豊かにしてくれるかもしれません。

そういった意味でも、お墓は現代に生きる私たちにとっても大いに意味があると言えます。

また、お墓を建てることにより、家族とのこれかを考える良いきっかけになるかもしれません。

お墓を建てるのが難しい場合は永代供養など新しい供養も検討

核家族化によりお墓の管理が難しい場合や供養の考え方の多様化などもあり、お墓を建てる以外にも寺院などによる永代供養や納骨堂・散骨などの供養の方法も浸透しつつあります。

もし、何らかの事情によりお墓を建てられない場合は、供養を寺院に任せるのも手段のひとつです。

日蓮宗におけるお墓について

お墓は、仏教の中でも宗派によって変わることがあります。

当院を例に挙げますと、日蓮宗の開祖である日蓮聖人は、あらゆる仏教経典を学び、法華経にたたどり着いたとされています。

日蓮宗においては以下がお墓の特徴です。

  • 墓石に「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と刻んである
  • 文字の頭に妙法の文字が刻まれる場合がある
  •  一段ずつに「妙・法・蓮・華・経」という文字が刻まれた丸玉五輪塔のお墓であることが多い

このように、日蓮宗ならではの目印がある一方で、最近では宗派にとらわれない多種多様な墓石が利用されています。

まとめ

お墓を建てる最大の理由として、冥福を祈る対象としての物理的な意味と、この世とあの世の繋がりや先祖と子孫との繋がり・絆を感じさせる精神的な意味があります。

家族や親族と亡くなった大切な人とのとの繋がりにおいて、お墓はかかせない存在だと言えるでしょう。

また、仏教においてお盆などでは死者の魂がこの世に帰るための目印になるとされています。

現代においては、個人の死生観も変わり、お墓を建てる以外の選択肢も増えているものの、繋がりについて考えさせられる今の時代だからこそ、お墓はまだ必要性があるでしょう。

とはいえ、お墓の管理や維持は跡取りがいないと難しいかもしれません。

当山では、お墓以外にも、永代供養墓や納骨堂等、供養の方法も多岐にわたり準備がございます。

お墓の管理や維持でお困りの場合は、ぜひ当山にご相談ください。

檀家さま以外でも、菩提寺が無くお困りの方も宗派関係なく相談いただけますので、活用してみてはいかがでしょうか。

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