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なぜ日蓮宗では法華経なの?「諸経の王」と呼ばれる理由は?

國相寺は日蓮宗のお寺です。

そして、日蓮宗では法華経を経典としてその教えを守っています。


菩提寺は別の宗派だという方の間でも、もっといえば子どもたちの間でも、「なむ みょう~ほう~れんげ~きょう~」のリズムはわりとよく知られているかと思いますが、あれが日蓮宗です。


ですが、どうして日蓮宗でお経をあげるといえば法華経と決まっているのでしょう?

今回は、日蓮宗で法華経が経典とされている理由や、あまり知られていない法華経のあれこれをお話しさせていただきます。

法華経を経典としている理由

法華経以外にもお経はたくさんあります。

というか、それこそ数限りなくあります。

数限りなく……!?

もちろん厳密にはちゃんと限りはあるのですが、その数7千巻以上といわれています。
これはもう体感的には「数限りない」ですよね!

日蓮宗がその中から法華経を選んで経典と定めている理由は、法華経が統一の御経であり、真実の教えであるからです(笑)

……これではほとんど説明になっていないかと思いますので、もう少し詳しくお話ししますね(汗)


日蓮聖人が出家して仏の教えを熱心に学んでいた鎌倉時代の当時、朝廷と幕府が権力を争って世は乱れ、

顧みられない民衆はあいつぐ飢饉や疫病に苦しむという悲惨な状況。

まさに現代の混沌とした世の中と未曽有のコロナという疫病災害の状況と瓜二つです。


そんな世の有り様を見て日蓮聖人は思ったわけです。


「たくさんの僧侶が仏の教えを学び広めているのに、なぜ世の中はいっこうに良くならないのだろう?」


「仏の教えはただ一つのはずなのに、いくつもの宗派に分かれて互いに反目しているのが問題なのでは?」


世を平和に導き、あまねく人々を救う真の仏法がきっとあるはずだと考えた日蓮聖人は、比叡山や高野山などあちこちで猛勉強し、ついにたどり着いた答えが法華経だったのです。

法華経が「諸経の王」と呼ばれる理由

大乗仏教の中でも「五時八教」という教えがあり、辞書には

最初に『華厳経』を説き、その教えが難しいため人々が理解できなかったとして、次に平易な『阿含経』を説いたとする。人々の理解の割合に応じて、『方等経』、『般若経』を説き、最後の8年間で『法華経』と『涅槃経』を説いたとする。そして最後に説いた『法華経』が釈迦のもっとも重要な教えであるとしている。

wikipedia

とあるように、お釈迦様生涯の説法の中でも集大成なる部分に当たるのが法華経なのです。

例えるなら、幼稚園から、小学校、中学、高校、大学と教育課程が上がっていくように、最終的に伝えたかった仏の教えが、法華経に詰まっているということなのです。

それ故、数多ある大乗仏典の中でも「諸経の王」と呼ばれるようになったのです。

実は膨大!読経するのはほんの一部

「法華経」というのは略称で、正式には「妙法蓮華経」というお経です。


「迹門(しゃくもん)」と呼ばれる前半部に14品(品というのは章のようなものです)、「本門(ほんもん)」と呼ばれる後半部に14本の合計28本から構成されています。

28品のそれぞれについては、また別の機会にお話しできたらと思います。

全文となると相当なボリュームなので、毎日々々最初から最後まで読み上げるというのは現実的ではありません。


そこで、主要箇所だけ抜き出して集めた「妙法蓮華経要品(みょうほうれんげきょうようほん)」という抜粋版が作られており、毎日のお勤めではそれに載っているもののうちでも特に重要と考えられる部分を重点的に読んでいます

「南無妙法蓮華経」は日蓮宗のエッセンス

法華経といえば「南無妙法蓮華経」なのでは?と思った方もいらっしゃるかもしれません。


この「南無妙法蓮華経」は「お題目」といい、いわば日蓮聖人の思想を極限まで煎じ詰めきったもの。


「法華経に一心におすがりします」という意味なので、「南無妙法蓮華経」と唱えるたびに法華経への帰依を明言していることになり、それにより自身の内に眠る仏性(仏となるべき素質)が呼び覚まされるというわけです。

このお題目、お寺にもよるかとは思うけれど、結構なスピードで唱えることも。

そうですね。
だから、心が鎮められるというよりは元気づけられると感じる方も少なくないようです。

法華経が日蓮宗において経典とされている理由、諸経の王といわれている理由、そのほか法華経に関する基本的な内容についてお話ししました。


「へえ~!初めて知った!」「そうだったんだー!」と思ったことはありましたか?


同じようにお題目を聞いていても、その背景や意味を知っているのといないのとでは聞こえ方がまた違ってくるはずです。お経の意味を知り、お唱えすることもまた大切ですね。

それでは今日も日々善行で(^^)/

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